そもそも不動産登記とは?法務局での手続き方法も含め徹底解説!!
「不動産登記」とは、売買や相続など不動産の権利に変動が生じた際に必要な手続きです。法務局という公的な機関で手続きすることにより、登記簿に登記され公示することで、権利変動を第三者に対抗することができるようになります。自身の財産を守る為に重要な手続きです。しかし、日常生活の中で不動産登記に関わる機会は少なく、その内容や意味を十分に理解している人は、あまりいらっしゃらないかもしれません。
不動産登記手続きには、売買などのように、権利を取得する登記権利者と、権利を失う登記義務者の双方で行う共同申請と、相続などのように登記義務者がいない単独申請の手続きがあります。相続登記は単独申請であることから、相続人が登記手続きを行わなければ、そのまま放置されることになります。その為、長期間登記をせずに放置され、所有者が不明となる不動産が増加し、復興事業や災害対策の工事が出来ないなど社会問題となりました。そこで、2024年からは相続などによる不動産登記の申請が義務づけられることとなりました。
そこで今回は、不動産登記の必要性や手続き方法など基本的な部分について詳しく解説いたします。相続などで登記が必要となっている方、是非この記事を参考にしていただければ幸いです。
不動産登記とは?
登記とは、重要な権利義務を保護するとともに円滑な取引を実現するために定められた制度で、その内容は商業登記、法人登記、成年後見登記など多岐にわたります。今回のメインワードになる「不動産登記」も登記の一つであり、取得した土地や建物が誰のものかを明確にするための制度となっています。
不動産登記は、法務局で申請手続きを行います。登記申請を行うと、法務局が管理するコンピュータシステムに磁気データとして記録されます。そこには、「不動産の場所、詳細」「所有者」「どの金融機関からどれだけのお金を借りているか」などが記録され、その情報は一般に公開されており、誰でも有料で閲覧でき、登録情報を含む登記簿謄本のコピーを入手することができます。
大きく2つの種類に分類
不動産登記簿は、表示に関する表題部と権利に関する権利部の2つに分類され、権利部はさらに所有権に関する「甲区」と、所有権以外に関する「乙区」に分類されます。
建物表題登記(主に新築)
表題登記は、不動産の物理的現況を明らかにすることを目的としており、土地の場合は場所・地目・面積、建物の場合は建物の番地・種類・構造・床面積を記載しています。この表題部の登記については、建物が完成してから1か月以内に登記を申請する必要があります。
所有権保存登記(新築時の建物所有者)
所有権保存登記は、新築住宅など、初めて甲区欄に所有者として記録される登記で、所有者の住所氏名が記録されます。この登記を行うことにより、第三者に対抗することが可能となります。
所有権移転登記(主に不動産売買・贈与・相続)
所有権移転登記とは、不動産の売買、贈与、相続などで不動産の所有者が変わったときに申請する手続きです。旧所有者から新所有者に移転したことを公示することにより、新しい所有者は第三者への対抗力を取得します。所有権の登記は、権利部の「甲区」に記録されます。
抵当権設定登記、抵当権抹消登記(主に土地を担保に入れて借金する時、住宅ローン)
抵当権とは、債務の担保として提供した不動産について、その債務の返済できない場合に、抵当権者が、その不動産を競売し、その売却代金から他の債権者に優先して返済を受けることができる権利のことです。そして、不動産に抵当権を設定する登記を抵当権設定登記といいます。そして、債務を完済した際に、債務者が抵当権を抹消する登記のことを抵当権抹消登記と言います。
抵当権の登記は、権利部の「乙区」に記録されます。
相続登記とは?
相続登記は、被相続人から相続した不動産を相続人の名義に変更する所有権の移転登記手続きです。
先にも記したように、現時点で相続登記は必須でなく、登記期限は設定されていませんが、今後は、相続による不動産登記の申請が義務化されることになります。
具体的には、法改正により相続によって不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。この法律は2024年4月1日に施行となります。
不動産相続手続き方法
将来放置できない不動産の相続登記手続きですが、具体的にどう手続きすればよいのでしょうか?ここで手順の詳細について説明します。
手続きは不動産所在地の法務省で実施
相続登記申請は法務局で行いますが、どこの法務局でもいいわけではなく、対象となる不動産を管轄している法務局で手続きをしなければなりません。
登記申請は、法務局の窓口での申請のほか、書類を郵便で送る郵送申請と、インターネットを利用して登記申請情報を法務局に送信するオンライン申請の3つの方法での申請が可能となっています。
登記に必要な書類をそろえ手続きする必要有
では、どのように手続きすればよいのでしょうか? 申請方法は、必要書類を準備した上で登記申請書を作成し法務局に申請します。
ただし、必要書類は登記目的や内容によってさまざまであり、準備すべき書類も多岐にわたりますので、事前に法務局に確認することをおすすめします。また、申請時に登録免許税を納付する必要がありますので、税額の計算と費用の準備が必要になります。
相続登記は相続人が単独で申請できる手続きですが、相続人が多い場合や、相続が複数回ある場合など必要な書類が複雑になることがあります。
必要書類は多岐にわたる
先にも説明した通り、登記には登録申請書だけでなく、多くの必要書類があります。また登記目的に応じて準備すべき書類も大きく異なりますので事前に確認する必要があります。
それでは2つのケースにおいて準備すべき書類例について紹介します。
例①売買による所有権移転登記
売買による所有権移転登記に必要な書類の例は以下の通りです。
売主 | 登記識別情報通知(登記済権利証)、印鑑証明書 |
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買主 | 住民票 |
その他 | 固定資産評価証明書、売買契約書 |
例②相続(遺産相続)
相続登記(相続による所有権移転登記)に必要な書類の例は以下の通りです。
被相続人 (亡くなられた方) | 戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、住民票の除票(または戸籍の附票) |
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相続人 | 戸籍謄本、住民票 |
その他 | 固定資産評価証明書、遺産分割協議書、印鑑証明書 |
不動産登記は専門家に依頼することがおすすめ
不動産登記は、申請にかなりの労力と専門知識が必要であり、非常に難しい手続きです。特に相続による登記の場合は必要書類が多岐に渡り、時間がかかると言われています。相続人がだれかということも、戸籍を確認しないとわからないことが多く、自分が知らない親族が相続人だったりする場合もあります。戸籍1つ収集し、解読するのにも時間がかかるため、司法書士など専門家に依頼し手続きするのがおすすめです。
まとめ
不動産登記とは不動産所得や相続などの際、その不動産を公的に明確にするための手続きです。その内容は非常に難しく、専門家の手にゆだねることが最適な手段といえるでしょう。
当社でも相続に伴う相続登記についてご相談に応じております。不動産登記でお悩みの方、是非相続相談センターまでご相談ください。